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2008/02/23

新ゼミ生課題作品:エッセイ「今までで一番笑った経験」7

駒澤大学GMS学部山口ゼミでは、2008年度ゼミ生募集に際し、課題作品の提出を求 めました。ここでは提出作品を順番にご紹介しています。エッセイ部門の課題は「今までで一番笑った経験」です。これは「あんぢぃ」さんの応募作品です。
(担当山口)


コカコーラ

by あんぢぃ

最近はやっと涼しくなってきたが、今年の九月は本当に暑かった。このままずっと夏のままで、秋は一生やって来ないのかと思うぐらい暑かった。そんな暑さのなか、普通の人なら涼しく過ごすためにお茶やら紅茶やらスポーツドリンクやらを飲むだろうが自分は違う。コカコーラ。間違いない。ノンカロリーではなく純粋なあの赤いラベルのコカコーラ。もちろんペプシでもだめ。暑かろうが寒かろうが断固としてコカコーラを飲み続けてきた。そう自分は生粋のコカコーラ好きなのである。

なぜここまでコカコーラが好きなのかというと正直分らない。もちろん口の中に入れた瞬間に広がるスパイシーに弾ける感じや、キレるノドごしもたまらない。炭酸が抜けてただの砂糖水と化してしまってもグビグビいける。ただこれらが直接的な理由かといううとそうではない。俗にいう骨が溶けるだとか体に悪いだとかも全く関係ない。ただあの謎の黒い液体に理由なく魅せられてしまう。まさにノーリーズン・コカコーラ。

そんなコカコーラ好きなら小さいころに一度は思い描く夢は『蛇口からコカコーラが出れば…』である。もちろんそんな夢がかなうはずもない。他にもコカコーラサウナやコカコーラ風呂なども考えたが、自分には湯船をいっぱいにするコカコーラを買う金や勇気もない。自分の小さい頃のはかない夢など今の自分は当然忘れていたのだが、あるものを見た瞬間にはっきりと思い出す。

自分がそのあるものに出合ったのは、ちょうど去年の今頃。秋になって空気が乾燥してきた頃、自分は友達の家で仲間大勢と遊んでいた。その友達の両親は仕事か何かで外出していたので、みんなは飲めや歌えの大騒ぎだった。その時も自分はもちろんコカコーラをグビグビ飲んでいた。

しばらくみんなで騒いでいると、玄関のほうでガチャッと音がする。どうやら友達の親が帰ってきたようだ。さすがに自分らは少し静かにした方がいいななどと話していると、自分たちがいる部屋にその母親が入ってきてあいさつするやいなや『これ買ってきてあげたから…』と、某電気店の包装紙に包まれた箱置いて出て行ってしまった。当然みんなの注目はそのこづつみに一気に集中する。

話しを聞くと、最近の乾燥のため加湿器を買ってきてもらったらしい。さっそく包装紙を破り捨て箱を開けてみると、ただのあきらかにただの加湿器とは様子が違う。どうやら500mlサイズのペットボトルに水をいれ、そのペットボトルを直接加湿器に差し込むと、あとは勝手に動作してくれるという。なんとも便利で斬新な加湿器だった。さっそく空のペットボトルに水をいれセットしてみた。しばらくするとゴポッ…ゴポポポッと音を立てながらペットボトルの中の水が沸騰してきて、それと同時に加湿器から水蒸気が勢いよく飛び出してくる。ただそれだけのことなのにみんなは歓声をあげ、再び大騒ぎを始める。

しばらくしてペットボトルが空になっているのに気づき、もう一本いこうなどと話しているときに自分はあることに気づいてしまった。さらに小さい頃に思い描いた夢までもが思い出される。自分の右手にはコカコーラ。目の前にはペットボトル対応加湿器。もうお気づきだろう。そうコカコーラサウナだ。

今自分の目の前にあるのはただの加湿器ではない。小さい頃からの願いを叶えてくれる夢のコカコーラサウナ製造マシンだったのである。さっそくコカコーラをサウナマシンに装着し、部屋がコカコーラサウナになるのを待つみんな。

すぐにペットボトル内のコカコーラに変化が現れた。異常なまでの泡が出ているのである。そのすぐあと、ついに噴射口から水蒸気が出てきた。しかし見た目は普通の白い蒸気となんら変わらない。ただコカコーラ独特の甘ったるい匂いと、どこか焦げ臭いような臭いがあたり一面に広がる。予想に反してコカコーラの蒸気がモクモクとあがり、部屋が真っ黒になるわけではなかったけれど自分はこの匂いだけで大満足だった。が、みんなは期待外れだったのかあきらかにテンションが下がっている。しだいにみんなはサウナマシンにコカコーラを挿したことなどすっかり忘れ、再び遊んでいたのだった。

盛り上がっていたみんなの喧噪を裂くように突然サウナマシンから『グスンッッ…』という異音が発せられてみんなは固まる。すぐにサウナマシンの方に目を向けると既に蒸気は出ておらず、部屋のすみで静かになっていた。ペットボトルにはまだコカコーラが残っている。みんなの脳裏に悪夢がよぎる。よく見てみるとペットボトルの挿入口にはベトベトになったコカコーラが濃縮された黒い塊がこびれ付いていた。ご臨終。

『水以外のものは絶対に入れないでください』…もっと早く言えよなどと愚痴をこぼしながら、そそくさと友達の家をでて向かう家路。新しい加湿器買ってあげようと決意する自分の口には濃縮コカコーラの塊が。

おしまい  

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この文章が書かれたのは昨年秋ですので、文中の「今年」は2007年を指します。

コカコーラ色の蒸気…。

なんとコメントしてよいのやら。そのお友だちの承諾はとったのでしょうね。科学教育の重要性を改めて認識する今日このごろですが、気を取り直して考えると、蒸気に色や香りがついていたら確かに面白そうですね。原理的には、蒸気にした後に色や香りをつけることはできるでしょうから、水で蒸気を作って、そこにコカコーラを霧状にして混ぜることになるのかなと思います。

…というか、コカコーラの霧が出たら、後でべとべとになりますね。それにコカコーラの色自体はあまり美しいとはいえません。コカコーラの香料成分だけを霧にして混ぜればいいわけですね。いや、だったら別に蒸気じゃなくて初めから霧でいいような気もします。いやいやそもそも、そこまでしてコカコーラの香りを嗅ぎたい人って、そんなに多くないように思います。

私もコカコーラは嫌いじゃありませんが、ふつうに飲むほうがいいですね。これは新しく出たやつ。カロリーオフながら味は元のやつに近い、と。

コカコーラの魅力といえば、味もさることながらそのCM。そのテレビCM映像を集めたのがこれ。初回封入特典として、「超レア!スペシャル・ミニチュア・ボトル」がついてくるそうです。Don't miss it!

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