「新聞を読もう」No.5 2008年12月17日(水) 日本経済新聞 夕刊 「日産、国内の減産拡大 非正規社員ゼロに」
記事によると、今月17日、日産自動車は2009年1月以降に国内の減産を拡大し、合わせて3月末までに非正規社員500人を順次削減しゼロにすると発表したそうです。
現在、アメリカのサブプライムローン問題に始まった世界的な経済状況の悪化を受けて、日本国内では主に自動車などの製造業の非正規社員の解雇、いわゆる「派遣切り」の問題が出ています。
毎日のようにメディアでは頻繁にその問題を取り上げ、政府や厚生労働省などとそれらの派遣社員との話し合いの場を持った映像等のニュースも流れています。
ただ今回ここで言いたいのは、国内における非正規社員雇用のシステムの問題ではありません。グローバル・メディア・スタデーズ学部らしく、すこし視点を別に持って行きたいと思います。
自動車工場など製造業は3K職場(きつい、汚い、危険)である側面もあり、普段からあまり人気のある職場ではなく、今までのところ非正規社員に労働力を頼っているのが実情です。
また非正規社員は「景気の調節弁」とも揶揄されることもあります。昨年までは逆に人手が足りないくらいだったそうで、私もまた新聞の折込広告等で募集を良く見かけました。
そもそも労働力が不足した時期というのは日本がバブル経済を迎えていたころになります。その頃はどこの業界も労働力が不足しており、日本政府はその対応に迫られていました。
そこで経済界からの働きかけもあり、1990年「入国管理法」が改正されました。基本的に日本は移民を受け入れておらず、外国人が日本で働くには厳しい制限があります。
その制限を一部改正し、日系3世においては定住者という在留資格を得ることが出来るようになりました。
それによって、主に南米のブラジルやペルーから日系の出稼ぎ労働者が増加し、製造業(自動車工場含む)などへの労働力の補填となりました。
現在では外国人登録者数全体の約215万人のうち、ブラジル人は全体の14.7%、30万人を超えた3位につけています。なお、ペルー人は2.8%(約6万人)となっています。
また、昨年の1位は中国人60万人(28.2%)と、韓国・朝鮮人(27.6%)のそれを抜いている状況です。
(参考:法務省入国管理局 平成19年末現在における外国人登録者統計について)
ここで取り上げたい問題とは、出稼ぎに来ている日系人の「派遣切り」です。
静岡県浜松市や、群馬県大泉町には工場が多く、その周辺に出稼ぎに来た日系人や外国人の大きなコミュニティがあるのは有名な話です。他にも日本中の工場地帯周辺には外国人のコミュニティがあるでしょう。
彼らのような外国人労働者に対する労働条件は3K職場と言われるように非常に劣悪です。
そんな在日外国人労働者達がこの経済危機の影響を受けるとどうなるでしょうか?
現在、在日本人の派遣労働者の解雇問題が沸き上がっていますが、日本人よりも先に解雇される危険があるのは外国人労働者の方ではないでしょうか?
外国人労働者を雇っている会社にしてみれば、日本語が堪能ではない、社会保障に関心の低い外国人を解雇する方が楽、と判断してもおかしくはないでしょう。
今のところメディアではあまり報道されていませんが、今後外国人労働者に関する問題が起こる可能性は高いと思われます。
先立って、今月16日のasahi.comの報道によると、『「派遣切り」恐れひき逃げ 容疑で日系ブラジル人を逮捕』といった事件も起こっています。
政府による在日外国人労働者への対応は進んでいるのか?
今後もこち駒ではこの問題に注目していきたいと思います。
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関連参考記事
日産、国内の減産拡大 非正規社員ゼロに(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081217AT1D1701C17122008.html
「派遣切り」恐れひき逃げ 容疑で日系ブラジル人を逮捕(asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200812160101.html
法務省 入国管理局 -統計
http://www.immi-moj.go.jp/toukei/index.html
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コメント
外国人労働者の派遣切り等の問題、次第にニュースに上るようになってきましたね。外国人の場合、国家間の問題になるおそれもあるかと思います。今後も要注目です。
投稿: 山口 浩 | 2008/12/28 23:22