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2009/02/04

新ゼミ生課題作品:エッセイ「私の人生最大のピンチ」2

駒澤大学GMS学部山口ゼミでは、2009年度ゼミ生募集に際し、課題作品の提出を求 めました。ここでは提出作品を順番にご紹介しています。エッセイ部門の課題は「私の人生最大のピンチ」です。これは名無し1号さんの提出作品です。
(担当山口)

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18のとき男二人沖縄旅行に行ったときのこと。

高校を卒業し、旅行に行くためアルバイトをして旅費を稼いだ。旅行をきめてから出発まで時間がなかったので旅先で使う費用までは稼げなかったが、なんとかなるだろうと出発した。友達と旅行に行くのは初めてではなかったが、飛行機で出かけるのは久々だったので2人でテンションがあがっていた。お金の不安など飛んでいっていた。

現地に到着し、那覇市内のホテルにチェックインし、その日は那覇市内を観光し楽しんだ。次の日も観光していたが、だんだんと那覇以外も行ってみたくなった。しかしその時点で財布には8千円。お金はない。レンタカーはもちろん高速バスも高い。普通のバスだと時間がかかってしょうがない。そこで観光タクシーを使ってみることにした。観光タクシーは破格で観光地に案内してくれるタクシーだが値段は交渉次第だ。一か八かでホテルの前で屯しているタクシー運転手に声をかけてみた。

「名護まで行きたいんですけど。」
「いいよー。二人で片道1万円でどう?普通なら一人一万円以上だよ。安いでしょ。」

それで安いのかと思った。今の財布の状況を考えると行っても帰ってこられない。

「少し考えます。」

運転手に名刺をもらい、少し歩いたところに停まっているタクシーに声をかけた。しかしほとんど同じ返答だった。結局最初のタクシーのところが感じがよかったのでもらった名刺に電話し乗ることに決めた。

「ありがとうねー。名護まで長いからよろしくねー。」

そこから2時間ほどの交渉が始まった。

運転手は沖縄なまりのいいおじさんといったかんじだった。運転中に友達と話したりフランクそうな人だった。私たちはお金の面で心配していたが、はじめは普通の会話を心がけた。

おじさんは東京に上京した息子がいるらしく、私たちと同い年くらいだといって喜んでいた。私たちも旅先で知らない人と話しているという状況を楽しんでいた。

運転手「沖縄いいところでしょ!」
自分「いいですね。観光もいいしご飯もおいしいし・・・。もっとお金持ってくればよかったな。」
運転手「ご飯はおいしいよね。・・・・(別の話題に)。」

このような会話が何回もあった。あからさまにお金がないというアピールが面倒くさいのか、運転手のおじさんは決してお金の話には食いついてくれなかった。 状況は変わらずおじさんペースのまま目的地に到着。

運転手「到着だね。お疲れ様。」
自分「ありがとうございましたー!めっちゃくちゃ楽しくて沖縄大好きになりました!」

半分は本当だが、若干大げさに言った。そして会計・・・。

自分「じゃあ二人で1万円でしたっけ。」
運転手「あーそうね。お金ないんでしょ。今いくら持ってるの?」
自分たち「二人で1万円ちょっとくらいです。」
運転手「え!何でそんなんで乗ったの!」

少々呆れ顔だったが、ここは粘ればなんとかなると思い、食い下がった。

自分「せっかく沖縄にきたら遠くまで行きたくなって。初めは那覇市内で楽しんでいたんですけど・・・・・。」
運転手「そうね。沖縄は市外のほうが楽しいから。おじさんも若いときは日本だけじゃなく外国にもたくさん旅をしたんだけどね、現地ではいろんな人にお世話になったよ。」

そういって運転手のおじさんは旅の話をした。そしてメーターを0にした。

自分「え?」
運転手「君たちとたくさん話せて楽しかったし、それにもっと沖縄を楽しんでほしいからね。今回はいいよー。そのかわり友達にも紹介してね。」

おじさんはタクシー代をタダににしてくれた。交渉が成功したのが、おじさんがいいひとだったかは微妙ではあったが、自分たちは一人1万円以上するタクシー代を無料にすることができた。お金を持たないで旅行するのは不安があるが、それをきっかけに渡る世間に鬼はなしを知った。

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うーむ。
これはピンチというべきか何というべきか。今はあまりはやりませんが、ヒッチハイクというものもあるので、お金がなければだめと決まったわけではありませんが、プロ相手にそれをやるのはどうもなぁ、と正直思います。しかもある意味確信犯だし。よく許してくれましたね。そういうのも含めて「若いっていいなぁ」と思わなくもありませんが、「渡る世間に鬼」はいっぱいいますし、鬼でなくてもこれは怒られてもしかたありません。よい子の皆さんは絶対マネしちゃだめですからね。


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