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2009/04/26

新ゼミ生課題作品:エッセイ「私の人生最大のピンチ」11

駒澤大学GMS学部山口ゼミでは、2009年度ゼミ生募集に際し、課題作品の提出を求 めました。ここでは提出作品を順番にご紹介しています。エッセイ部門の課題は「私の人生最大のピンチ」です。これはねこぱんちさんの提出作品です。
(担当山口)

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私の人生最大のピンチ

私が体験した人生最大のピンチは、つい数週間前に起こりました。

ある朝の出来事です。私はいつものように朝起きて、顔を洗い、朝食をとりました。その日は電車に乗り遅れそうだったので、パンと牛乳だけでした。ちなみに私の場合、実家から駒澤大学まで2時間近くかかるので、電車に乗り遅れると即遅刻になります。そのため、その日は焼けたパンを牛乳で流し込み、慌てて家を飛び出しました。家から駅まで通常は15分程度かかる距離を高速で自転車をこいで、10分弱で駅に着くことができました。階段を駆け上がり駆け下り、ホームに着くと、ちょうど湘南新宿ラインの電車が停まっていました。

私はすかさず、ぎゅうぎゅうに人間が詰まった電車に乗り込み、ほっと一息つきました。しかし電車内は身動きの取れないほどの満員でした。私はたくさんの人間たちに押しつぶされ、ドアにべたぁっと張り付いた状態です。そして駅に到着する度に、後ろから早く降りようとする人たちの驚異的な圧力によって電車の外に投げ出されます。その後、降りる乗客を確認し再び乗り込むと、今度は乗る乗客たちの凄まじいパワーによってもみくちゃにされる有様。

と、ここまではいつもと変わらない日常です。しかし、私が体験したピンチはここから始まりました。

電車が大宮駅(私の最寄り駅の次の駅)を通り過ぎ、赤羽駅へと向かっている時でした。私は腹部に違和感を覚えたのです。腸の辺りがキュルキュルと鳴り、激痛よりも危機感が上回っていました。無論、下痢でした。私はお腹を押さえ、歯を喰いしばって耐えました。しかし、大宮駅から赤羽駅までは30分以上もかかります。電車内のトイレを使うにも、この人混みでは身動きも取れませんでした。自ら下痢を報告して、トイレに連れて行ってもらう勇気などもありません。

つまり、私は赤羽駅に着くまでの30分間、自分の下痢と闘わなくてはなりませんでした。治まったかと思うとまた激痛が走り、しばらく耐えていると徐々に治まってくる。その繰り返しでした。30分間も耐え抜くことができるか心配でした。

そのため、私はなるべく腹部に衝撃が当たらないように、体勢を低くしました。さすがに座り込むといった行動は取れなかったので、腰を曲げたお婆さんのような姿勢で立っていました。しかし満員電車に乗っている以上、乗客との衝突は避けられません。電車が揺れると、車内の乗客もそれに合わせて前後左右に揺れてきます。その度に、鞄やら腕やら背中やらが私の腹部をめがけて攻撃してきます。私は何とかその攻撃をしのいでいました。また、車内はこれだけの人混みなので、とても空気が悪いです。それに私は少々貧血気味なので、二酸化炭素の多い車内で意識が朦朧としていました。下痢による激痛と貧血の中、私は必死に耐えていました。

そしてようやく、電車は赤羽駅に到着しました。私は猛ダッシュで電車を飛び出し、エスカレーターを駆け下りました。そしてトイレを見つけると、脇目も振らずに入りました。しかし、この時間帯はやはり人が多いものです。人気のあるラーメン店のように、トイレに行列ができていました。しかもトイレは4つ程。「もっと便器の数増やしてくれ!」と叫びたい気持ちでいっぱいでした。

一人、また一人とドアから出てくる度に焦る気持ちが強くなっていきます。私のお腹ももはや悲鳴を上げていました。ついに私が先頭になり、終わった人が水を流す音が聞こえました。私は心の中でガッツポーズをし、空いたトイレに駆け込みました。私は便器に座るとほっと安堵を見せ、今までの緊張感と苦痛から解放された嬉しさのあまり、溜息をついてしまいました。しかし、私のピンチはここで終わりではありませんでした。

気持ちよくなったところで、紙を取ろうと手を伸ばしました。しかし、トイレットペーパーがありませんでした。周りを見回してみてもどこにも見当たりません。こんなことって本当にあるのかと思いましたが、これは現実でした。ティッシュも何もありません。

私は思わず「紙がない!」と叫んでしまいました。叫んだ後で、それがどんなに恥ずかしいことかわかりました。しかし、私はどうしようもなく途方にくれました。いっそノートでも使おうかと考えていると、「どうぞ」と声がし、なんと上からティッシュが落ちてきました。私は驚いて放心状態でしたが、早速それを使い、トイレから出ました。そして私が行列を見ると、ある人が「もう行っちゃいましたよ」と言いました。私はお礼がしたかったので探しましたが、誰だかわかりませんでした。ちなみにその後は見事に授業に遅刻しました。

Fin

こんな絵に描いたような出来事が、私の人生最大のピンチです。ちなみに下痢の原因は牛乳で、なんと賞味期限が切れていました。下品な内容ですいませんでした。

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いやこちらこそ下ネタですいませんが、まあ当人にとっては一大事だったにちがいありませんからご容赦。しかしまあこうも「都合よく」トラブルが連鎖することがあるんですね。ティッシュはいつも持っておきましょう、という教訓でしょうか。いやその前に、寝坊しないようにしてほしいところです。とはいえ、これが「人生最大のピンチ」ということは、ある意味「幸せ」な人ということですねえ。


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