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2009/11/16

【数独】株式会社ニコリ取材レポート【Sudoku】

こんにちは、くろたんです。

11月に入ってだいぶ寒くなってきましたね。

暖かい日もありますが、徐々に冬に近づきつつあります。

そんな季節の変わり目のある日、私くろたんと山口先生、そして同じくゼミ生のすあまの3人で、ある方の取材に行ってきました。

そのある方とは、今や「Sudoku」として世界中でブームを巻き起こしているパズル「数独」を制作している株式会社ニコリの代表取締役社長 鍜冶真起氏です。

今回は、鍛冶社長への取材で明らかになった数独の魅力をレポートします!

Nikoli01_2ニコリ社屋に到着後、応接室に並べられた大量のパズル関係の書籍に興味津々見入っていると、鍜冶社長がお見えになり、ご挨拶の後早速取材スタート。と同時に山口先生の質問攻めもスタート(笑)。
そんな山口先生のマシンガンのような質問に飄々と答えてくださる鍜冶社長が印象的でした。
それでは早速インタビューの模様をどうぞ!


―今や世界中で大ブームの数独ですが、実際の広まり方っていうのはどれくらいなんでしょうか。
インド、香港、韓国、ドイツ。ドイツはハードカバーの単行本シリーズで出てますね。それから中国、アメリカ、イギリス、メキシコとかですね。本以外にも日めくりの数独カレンダーが出てるところもあります。アメリカではnikoliをパズルのブランドとして使ってくれています。人気が出ているのはだいたい90カ国くらいですね。


―世界中の空港で数独の本を見かけますが、「ニコリ製ではない数独」をご覧になって、違いなどはありますか?
まずパッと見てわかることは、うちの数独は枠内の数字の配列が点対象になってるんです。これはうちの美学としてこだわっています。他のところのも最近は点対象のものが増えてますが、うちほどこだわっているところはないですね。
あとは中国とかで出てますけど、一つのマスにどんな数字を入れてもいいっていうパターン。トランプのジョーカーみたいな感じで正解の数字が何個かあるんで、最終的な解が何通りもあったりするんです。その点では、うちのは解はひとつだけ、と。ま、あたりまえのことですが。


―この国の人は数独が得意とか、国によって難易度設定が変わるとかありますか?
僕らは、難易度っていうのはあまり考えてなくて、純粋にパズルを楽しんでもらったり、メインディッシュじゃなくて手軽に楽しんでもらったりっていうのをずっと考えてたんです。ただ、最近はファンが増えたので、難易度の高いものを出したりしてます。
イギリスはどちらかというと難しいのにチャレンジする人が多い。韓国なんかも割と上達志向ですね。で、スペインなんかはプールサイドでのんびり初級だけ解いてるとか。そういうのはありますね。
ただ、共通してることがあって、数独は数字は使ってるけど計算はしないんですね。だから数独は世界中のどこに行っても、子供から老人まで、どんな人でも楽しめるんです。


Nikoli03_2―そうですね。計算をしなくていいというのは魅力的だと思います。
クロスワードなんかもそうで、複雑なルールがないんですよね。単純で楽しめる。
以前、「クロスワードパズル・ジグソーパズル・ルービックキューブ・数独は後世に残るだろう」って、ニューヨークタイムズが書いてくれたんですよ。それが数独がブームになり始めた2006年だったから、定着するか消えるかわからなかったんですけど、ニューヨークタイムズの言った通りになりつつありますね。
あとは、数独の盤面が結構新鮮なんですよね。あまり見たことがない。加えて、ジャパニーズ・パズルというと、ミステリアスなイメージがあったりする。そういうところも、世界に広まった理由なんじゃないかと思います。


―鍜冶社長の考えるパズルと各国の考えるパズルについてはなにか違う点などはありますか?
僕らは単純に楽しむためにパズルを作ってます。だからうちの出すパズル誌には懸賞がほとんどない。
だけど、海外に行くと、パズルはツールになってる場合が多いんです。懸賞金を取るために解くとか。こういうパズルって、日本もそうだけど、欧米だと「ブレイン・トレーニング」とか呼ばれてますよね。だけど、僕らのパズルはトレーニングじゃなくて「ブレイン・スパ」なんです。だから根本的な考え方が違うかもしれない。そうすると会社としての考え方も違ってくるんですよ。
僕らはまんじゅう屋みたいな会社がいいと思ってるんです。1日に用意した分が売切れたら店を閉めて、また次の日売る。そうすると余暇ができて遊ぶこともできますよね。仕入れも質を保っておけば、あとは作り手の腕次第だし、作っているうちにどんどん上達していく。マーケットも、パズル好き10万人がいるなら10万人で良いんです。我々も社員の家族が食べていければそれでいいですし。だから、僕らは商標取らなかったんですよ。そしたらニューヨークタイムズが「Brilliant mistake」、輝かしい失敗だと言ってくれた。会社の姿勢に対しても、まるで「禅」のようだと。そしたら、彼らがnikoliをブランドとして扱ってくれたんです。


―なるほど。資本の論理と違うところに重きを置いていらっしゃるんですね。
そう。だから、20何年かやってきて、会社の就業規則もきちんとしたものは一昨年までなかったんですよ。規模が少し大きくなって、作った方がいいよと言われて初めて作った。会社全体が家族みたいなものだから、必要なかったんです。


―数独が世界に知られるようになって、海外の企業から買収の話とかはありましたか?
ありました。今まで4回くらいですかね。そういう話を聞いて初めて、「あ、お金っていうのはこうやって儲ければいいんだ」と気づいたりしましたよ。断っていますけど。


―パズルはどのように作られるのですか?ホームページにはそういった情報が出ていないので、まさか社長がおひとりで考案されているのかと思ったりしたんですが。Nikoli04_2
海外でも言われますね。向こうに行くとまずSudokuが知られていて、次にMaki Kaji、そしてnikoliっていう順番なんです。だから僕が全部編み出したと思われていたりするんですよ。だから、「違います、私は制作会社の社長で、パズルは社員が作っています」と言ってます。そうするとまたびっくりされるんですけど。
今ニコリのパズル全体を作る人は大体200~300人くらいいて、そのうち数独を作れるのが100人くらい。新陳代謝(人の入れ替わり)があるので流動的ですが。あとは毎月送られてくる投稿のパズルで良いものがあればそれを載せています。実は社員も元はうちのパズル誌の読者だったりするんです。


―数独を思いつかれたきっかけというのは?
最初のパズル通信を創刊して4年目、会社を作って1年目なんですが、結構投稿が増えて、本のほとんどを、僕らが作らなくても投稿で作れるようになったんです。その時にちょっと待てよと。自分たちの編集方針として、これはどうなんだろうと思って、原点に返ってアメリカのパズル雑誌をもう一度読み始めたんです。そしたら数独の原型であるナンバープレイスというパズルが載ってたんです。クロスワードマガジンという雑誌で、100ページ以上全部クロスワードなんです。もちろん英語だから僕は解けない。でも最後の方に1問だけ、そのナンバープレイスが載ってて、それだけルールを読まなくても解けちゃったんですよ。で、これはスマートなパズルだなと思って、扱い始めたんです。


―なるほど。原点はアメリカの雑誌だったんですね。
そうなんです。それで、広まってきたときに、ファンの人が調べてくれたことがあって。僕がナンバープレイスを見つけたのは1984年で、ハワード・ガーンズという人だったかな、その人が1979年にそのパズルを始めたそうなんです。だから当時は新しいパズルだったんです。そのあと、うちが作った数独が2005年に流行り始めたんだけど、その3年くらい前に彼は亡くなってしまっていた。今ではそのナンバープレイスを扱ってた会社も、名称をSudokuに変えてます。


―数独のほかにも多くのオリジナルパズルを考案されていますが、それらの原案は社長がお考えになったりするんですか。
パズル誌を始めた黎明期は、アメリカの雑誌に載ってるパズルの見よう見まねでした。数が少なくて、バックナンバーを買い漁ってまず自分で解いてましたね。それでだんだん作れるようになって。今は自分たちだけで作るんじゃなくて、僕らの本の読者とやり取りして作っています。読者とアイディアを交換しながら、プロトタイプを作っていくんです。その制作過程を誌上で公開してるんですよ。そういうのを繰り返していって、3年に1回くらいのペースで新しいオリジナルパズルが完成します。


―3年に1回ですか。では、次のオリジナルパズルができるのは何年後くらいだと考えていらっしゃいますか。
うーん、僕はあと1,2年くらいで出せればいいなと思ってますね。


―ニコリの読者の方々っていうのは、どういう人たちなんでしょうか。
昔は読者の5割くらいは高校生、大学生でした。男女比は半々で。他の雑誌は8割くらいが女性で、ぜんぜんマーケットが違ったんです。ところが、数独が流行って、今は3割くらいが高校生、大学生で、それ以上の年代の人たちの割合が増えましたね。3割になったといっても、読者の数自体はあまり変わりません。他の世代の読者が増えて割合が変わったというだけで。


―若者の数学離れといいますか、最近は頭を使って考えるものが敬遠されがちですが、ニコリのパズルはそうではないんですね。
そうですね。以前、モザンビークに行ったとき、現地の学校に行ったんですよ。すごくレベルの高い学校で、カリキュラム自体は日本と同じくらいなんです。ただ、レベルが高すぎるところがあって、それが数学だった。だからそこの生徒は数学が嫌いだったんですけど、僕が「数独に計算は必要ない。考え方は遊びと一緒」といったらすぐに遊び始めた。そこの先生に「この子たちがこんなに数字を書いているのを初めて見ました」と言われましたよ。やっぱり必要なのは好奇心なんですよね。向上心じゃない。


―役に立つかどうかじゃなくて、面白いからやりたくなるということですね。
そう。数独は見てるだけじゃなくて、参加しないと面白くない。参加型で、自分なりのやり方を自分で考えることのできる娯楽なんです。だから僕らは解き方のコツとかも教えてこなかったんです。自分で気づいてもらう。やり方を教えてしまうと、塾になってしまうんですね。人から教えてもらったことっていうのは、抜けやすい。Nikoli02_2でも自分で気づいたものはなかなか抜けないんです。ただ、最近は数独が知られてきて、攻略本なんかも出すようになった。まぁ売れるからいいかなと思ったりしますが。
なので、時々教科書の副読本としてうちのパズルを使いたいという話が来るんですが、断るようにしているんです。人に教えられたり、強要されるものじゃないと思ってるので。

あと、例えばクロスワードを作ってるとき、9割方完成してるんだけど、最後の1割がどうしても組めないって言う時があるんです。もうふさわしい単語がないとか。そういう時にずっと粘って作り続けるのか、全部バラして1から作り直すのかっていうバランスをみる。どっちかに偏ると逆側があることに気づいたりするんですよ。粘り続けてもダメなときは1回逃げて一から作るとか。そうすると粘るより早く作れたりするんですよね。この間胃潰瘍の手術で入院して、3日間絶飲食したんですよ。そしたらそのあとの飯がすごくうまい(笑)。ありがたさに気づくんですよ。そういうところも、パズルから教わったような気がしますね。


―現代の教育は、なるべく「下」を経験させないようにするんですよね。そういった方針が一種の充実感を削いでいるようにも感じます。
そうですね。手を差し伸べすぎる。ここはこれっていう風に教えちゃだめ。パズルも自分で解くから達成感があるんですよ。


―――――――――――――――――――――――――

いかがでしたでしょうか?

本当はもっともっと面白いお話を聞かせてくださったのですが、載せきれず残念です。

ですが、これでも十分数独の魅力、パズルの魅力は伝わったのではないかと思っております。

みなさんも今年の冬はこたつでみかんとパズルなど、いかがですか?

鉛筆と好奇心があればあなたもすぐに「ニコリスト」になれます!

そうそう、今はDSでもソフトが出てますよ!

是非、チャレンジしてみてください!

以上、くろたんでした!


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