マクドナルドのバンズ工場を見に行ってきました
イナ・ベーカリーは、アメリカでマクドナルド向けのバンズを作っているイーストボルトグループ(East Balt. Inc.)の子会社です。1996年の設立で、当初はニチレイとの合弁でしたが、現在はイーストボルトの100%子会社となっています。イナ・ベーカリーは、イーストボルト同様マクドナルド専属のサプライヤーで、東京の一部と関東、東北、信越地区のマクドナルド向けのバンズを一手に供給しています。日本マクドナルドの販売数量の32%にあたるそうです。
ここではバンズとマフィンを作っています。バンズには用途によってレギュラーバンズ、クォーターパウンダーバンズ、ビッグマックバンズの3種類があり、同じラインで作り分けているようです。レギュラーバンズの場合、1時間に6万個を作ることができます。これは世界のマクドナルド用バンズ工場の中でも最速の部類に入るとのこと。今回見学したのは、新商品に採用される、米粉を使った新しい「もちもちバンズ」の製造の模様です。実はこうしたサプライヤーの工場を見学できる機会というのはマクドナルドの社員でもあまりないのだそうで、貴重な機会といえます。
食品工場ですから、衛生にはとても気を使います。見学者は白衣のほか、頭髪を覆う帽子の着用が義務付けられます。ひげのある人はマスクも必須。指示に従って(従わないといけない)手洗いをし、さらに指を別に洗って、エアシャワーを浴びます。
これがエアシャワー。これを出るとさらに、ローラーで白衣の上についているかもしれない細かいチリなどをとります。生産ラインの近くは、熱を使うせいでしょうが少し暖かくなっています。夏場はもっと暑いとのこと。もちろん、製造中のパン種などの温度は厳格にコントロールされています。
バンズは中種法と呼ばれる方法で作ります。製造開始から完成まで約6時間の工程。まずは小麦粉、イースト等の材料を混ぜ合わせ中種を作ります。それを4時間、一次醗酵を行った後に残りの材料を加えて本捏ね。今回のもちもちバンズは限定生産なので、米粉などを手で加えます。これが本捏ね終了後の生地。これで約1トンある由。赤い帽子の人たちは同じ見学者。
このあとこの種を薄く伸ばし、吸い上げ、麩切り(グルテンを切断し歯ごたえをよくする)したのち1個のサイズに分割していきます。左の写真は伸ばしながら上に持ち上げているところ。2つのベルトの間にはさまっているのが中種。真ん中の写真はそれを上から伸ばしながら下ろしつつ麩切りを行おうとしているところ。右の写真は分割後。
これを型(展板)に入れます。ころころと転がりながらすべて型に収まっていくさまが面白いです。この後2次醗酵を約1時間弱。
2次醗酵が終わると、中種はこんな感じにふくらみます。このあと焼成。
焼きあがるとこんな色に。
続々焼きあがります。まさに工場らしい風景。
焼きたてのバンズ。まだ上下切れておらず、くっついたまま。試食しました。焼きたてのパンはおいしいものですが、これもなかなか。米粉の香りらしいいいにおいがします。
このあと、えんえんとコンベア上を運ばれながら、自然に冷却していきます。
ここで目視によるチェック。けっこう厳しい検査です。かたちなのか色なのか、見ていても全然わかりませんが次々と不合格のバンズがよりわけられていきます。
その後、上下で切断され、包装へ。
これが包装された状態。1包装で12個入っています。
最終チェックを受け出荷へ。
見渡す限りのバンズ。出荷待ちです。
工場というところは細かいところまで合理的にできていて、見ていて気持ちがいいです。工場の方々にも親切にしていただきました。貴重な機会をいただきありがとうございました。
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コメント
■アメリカの次は「日本」 マックが新キャンペーン、てりたまなど3品―予想があたって、やっぱり「日本」!!
こんにちは。マックは、「ビッグアメリカ」キャンペーンの次に、「日本」キャンペーンをすることを発表しました。これに関して、やはり、思っていた通りだと思いました。実は、私は、マックは「日本」に関するキャンペーンなどするであろうことをすでに私のブログで予測していました。それは、単なる思い付きではありません。きちんとした背景があります。その背景とは、もうすでに日本では、「日本の伝統文化」が見直される時期に入っているからです。その兆候はすでにいろいろなところに見られています。私のブログには、私が、なぜ「日本の伝統文化」などが見直されるようになると考えたのか、その背景など掲載しました。詳細は、是非私のブログを御覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2010/03/31 13:52