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2011/06/11

ゼミお勧め本プロジェクト:「人に教えたくないとっておきの本」

ゼミお勧め本プロジェクト。今回のテーマは「人に教えたくないとっておきの本」です。教えたくない本を教えちゃおうという矛盾もあって、学生の皆さんもだいぶ選択に苦しんだ模様。どんな本が挙がったでしょうか。

では順番に。山口もひとことコメントつけてます。

高見広春著「バトル・ロワイアル」(太田出版、1999年)

どこにでもいる普通の中学生が修学旅行のバスの中で突然クラス全員意識を失う。気がついたら見知らぬどっか無人島にある学校の教室、外れない首輪、見知らぬ男。男は言った「BR法により今から3日間クラス全員で殺し合いをしてもらいます。最後の1人になったら終了です。ただし、3日経っても決まらない場合は全員死んでもらいます。」と。タイムリミットは72時間。極限状態になったとき、彼らは自らの命のためにどこまでやれるのか。そしてこのBR法の本当の目的とは。人間の本性、葛藤が鮮明に出ている作品だと思います。漫画も原作も表現が非常にグロテスクだったりするので、慣れていない方には教えられない作品です。しかし、非常に道徳的な作品であり、友達の大切さや、命の尊さなど、多くを考えさせられます。

(山口コメント)これは有名な作品ですね。映画にもなったりしましたから、「教えたくない」としても、もうみんな知ってる、ということになるのかもしれません。私自身はこの種のグロテスクな表現を好まないので、実は読んでいませんが、このお勧め文や世間の評価からだけでも、重要なテーマを含むものであることはわかります。強烈な表現で心をゆさぶることで、ものごとの本質に迫ろうとしたのでしょう。それが受け入れられるなら、一度は読んでおくべき本なのかもしれませんね。


ひじおか誠著「太陽少年ジャンゴ」(小学館、「月刊コロコロコミック」にて2003年~2007年連載)

私が紹介する本は、ひじおか誠さん著作の「太陽少年ジャンゴ」です。
この本は残念ながら現在廃刊となっており、現在入手困難となっています。
しかし、「熱血」「戦闘」「友情」を備え持つ作品であり、少年漫画らしい勢いのあるストーリー展開と、ギャグを織り込んだ内容はとても魅力的です。
大まかなあらすじは、『悪の権化であるゾンビが支配した世界を、唯一ゾンビを倒せる「太陽の血」を受け継いだ少年が救う』という話です。勧善懲悪の話はとても単純ながらも、つい読み進めてしまうと思います。
入手が難しいかとは思いますが、ぜひ読んでみてください。

(山口コメント)マンガできましたか。この作品は、小学館の『月刊コロコロコミック』にて2003年9月号から2007年7月号まで連載されていましたが、コナミのGBA用ゲームソフト「ボクらの太陽」(2003年7月発売)のコミカライズ版ということになります。いかにも「コロコロ」らしい絵柄です。これを「とっておき」と思う人は、客観的にはあまり多くないかもしれませんが、本人にとっては「とっておき」なんでしょう。その分「人にすすめたくない」感は強いですね。


白水繁彦 著「イノベーション社会学 普及の概念と応用 Sosiology of Innovation -The Conceptsand Aplications of Diffusion Research-」 御茶の水書房

駒澤大学GMS学部の選択授業「イノベーション普及論」で教科書としても使用される御茶の水書房、白水繁彦著作の『イノベーション社会学 普及論の概念と応用』は私にとって人に教えたくない程素晴らしい参考書だ。
新製品や新サービス、流行は果たして誰が、どのように広めているのかを分かりやすく解説、そしてその内容を応用に導いている。
この一冊、又、授業は凡人を「情報の発信者(オピニオンリーダー)」へと育てる最高の書物だ。

(山口コメント)「とっておきの本」で、授業で使われるテキストを挙げる人がいるとは正直思いませんでした。お勧め文にもある通り、著者の白水さんは駒澤大学GMS学部教授です。学生にここまで褒められるとは教員冥利に尽きるのではないかと思います。


内海慶一著「ピクトさんの本」(ビー・エヌ・エヌ新社、2007年)

家の本棚で見つけた一冊本。帯に書かれた「あなたも必ず見たことがある!あの可哀想な人。世界中で活躍するピクトさんたちの雄姿を一挙公開!自己犠牲にもほどがある。」という文字に惹かれて手に取りました。この本は全国各地、ならびに海外のいたるところでピクトさん(=ピクトグラム)の目撃写真を掲載し、その形態について考察した世界で初めての研究書です。と言っても堅苦しい文章はなくとても読みやすい。作者の解説、見方がとても面白いです。ピクトさんの自らの体を犠牲にして、道行く人に危険を知らせている姿とその気の毒っぷりをぜひ見て頂きたいです。

(山口コメント)「ピクトさん」って何?というのが第一印象ですが、どうも、表紙にも出てるような、「棒人間」のような簡略化された人の形をした図を擬人化して名をつけたもののようです。絵文字のことを「ピクトグラム」といいますので、そこからとられたものでしょう。もともと人の形をしているわけですが、それに名をつけて擬人化してみると、とたんに身近に感じるから不思議です。「ピクトさん」たちは世界中のいろいろなところで「活躍」してるはずで、それを紹介した本となれば、これは面白くないわけがありません。というのも、この種の図は国によって、分野によって、さまざまなちがいがあったりしますから、それを比べたりするだけで文化の差や絵に込められた思いなど、さまざまなことがわかるからです。ぜひ手にとってお確かめください、と言いたくなる本で、「教えたくない」というお題にはちょっと添わないかもしれません。


ちなみに山口が選んだ「人に教えたくないとっておきの本」はこちら。

大和岩雄著「魔女はなぜ空を飛ぶか」(大和書房、1995年)

魔女というと、箒に乗って空を飛ぶというイメージがあるが、このイメージがどのように形成されてきたのかについて、歴史をたどりながら考察している本。ごく簡単にいえば、魔女が空を飛ぶのは魔女の集会「サバト」に参加するためだが、その裏にはもっといろいろな要素が潜んでいる。詳しく紹介するのは若干はばかられるので「人には教えたくない」本だが、キリスト教圏の文化にける、もともとキリスト教以前にあった土着の信仰への見方、女性への怖れといったものが魔女のイメージを形成しているという点が面白く、文化というものに対する理解を豊かにしてくれた本だと思っている。

(山口コメント)まあ、西欧における「魔女」については、いろいろな著作が出ていると思いますが、これは私が初めて読んだその種の本でして、「とっておき」というのはそうした面もあります。歴史には、あまり表だって語られない「影」の部分がありますが、これはそうした部分を正面からとりあげているので、その意味で万人向きではありません。読むなら自己責任で。

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