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2011/12/20

「こち駒」はコミックマーケット81に出店します

昨年に引き続き、「こち駒」は今年も、東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット81にサークル参加することとなりました。3日めの2011年12月31日、東地区P-31bです。今年度駒澤大学GMS学部「実践メディアビジネス講座I」で行われたシリーズ講義「マンガ・アニメの現在、過去、未来」の講演録の販売、及び山口ゼミ学生制作のゲームの配布を行う予定です。講演録には、マンガ家の赤松健氏、国際大学GLOCOMの境真良氏、角川コンテンツゲートの原田学氏、東京都議会議員の淺野克彦氏の講義及び質疑の模様を収録しています。よろしくお願いいたします。

山口による「まえがき」の部分を公開しておきます。

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はじめに

本書は、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部2011年度前期科目「実践メディアビジネス講座I」の一部として行われたシリーズ講義「マンガ・アニメの現在、過去、未来」の講演録です。この科目では、メディアビジネスの最前線で活躍されている実務家の方々を講師としてお呼びするのですが、その枠を使って、統一されたテーマの下でさまざまな立場の講師からお話を伺うことで、テーマに対する立体的な理解をめざすシリーズ講義を行っているわけです。

今年度のテーマは、「マンガ・アニメの現在、過去、未来」としました。マンガとアニメの業界は、一見似たようなものと見えなくもありませんが、事業の構造その他さまざまな側面でかなり大きくちがいます。にもかかわらずこれらをいっしょにした理由は、おおまかにいって3つありました。

1つは、この2つの業界が競合というより互いに補完しあう関係にあり、別個の業界というよりも、他のコンテンツも併せた大きなバリューチェーンの中のそれぞれ一部をなす存在であることです。マンガはアニメ原作の主要な供給源であり、またアニメはマンガの主要なマネタイズ手段の1つとなっています。メディアミックス展開が当たり前となった現在のコンテンツビジネスにおいて、2つはある意味、一蓮托生であるというわけです。

2つめは、この2つの業界が、いずれも一方ではクール・ジャパンの象徴として脚光を浴びながら、他方では深刻な問題に直面し、当の業界関係者がその持続可能性に強い懸念を抱いていること、そしてその問題に共通する部分が少なくないことです。もともと両者とも、ごく少数のヒット昨が大多数の凡作や失敗作を支えるという不確実性の高い環境にあるわけですが、その中で苦しみながらも作り上げてきた業界の構造が、デジタル化に伴う著作権侵害の深刻化に直面して大きくゆらぎ、また収益力の低下から若い才能を育む余力を失いつつあります。

3つめの理由は、2010年12月に可決成立した、東京都の「青少年の健全な育成に関する条例」の改正問題、いわゆる都条例問題です。いわゆる「非実在犯罪」規制として、事実上の表現規制につながるのではないかとの懸念から大きな話題となったこの条例は、マンガとアニメ、双方の業界に大きな衝撃を与えました。この条例の規制がマンガとアニメの双方を対象としていることもありますが、上記の通り、この2つがビジネスモデルの上でも不可分の存在であることが大きく影響しています。結局、毎年恒例のアニメ業界最大のイベントとして毎年春に行われていた「東京国際アニメフェア2012」も、出版業界を中心とする業界各社がボイコットし、別に「アニメコンテンツエキスポ2012」が開催されることとなりました。こうした、マンガやアニメの表現をめぐる問題は、単に表現の自由と行政権力との関係というだけでなく、市民と業界の関係、あるいは海外と業界の関係などの観点からも、重要な論点となります。単なるイエス・ノーではない議論がそこにはあるはずです。

もちろん、悪い話ばかりではありません。当初は子どもの娯楽だったマンガ・アニメは、大人の鑑賞にも耐えるハイクオリティの作品を作り出してきた多くの優れたクリエーターの力もあって、そのファン層を大人へも広げました。また、かつては成長とともにマンガやアニメを「卒業」していた成年女性も、今では有力な顧客層として業界を支えるようになっています。かつては社会からの「はみ出し者」、ひどいときは犯罪者予備軍とすらみられた、いわゆる「オタク」層の人々も、偏見がまったくなくなったわけではないものの、社会にとけ込み、かつコンテンツ産業を支えるコアなファン層として、その価値を認められる存在になってきています。

2009年度の「実践メディアビジネス講座I」では、こうした動きをとらえるべく、「オタク市場:『つくる』と『つかう』の接点」と題したシリーズ講義を行いました。これは、コンテンツビジネスをそのコアファン層の人々の果たす役割の変化を通してみたものですが、今年度は、作る側である業界の状況をとらえようとしたわけです。上に挙げたいずれの問題も、課題と同時にチャンスをもたらします。電子書籍やそのためのデバイス、サービスの整備がここへきて一気に進み始めたことも、その大きな1つととらえることができるでしょう。アニメの方でも、単なるメディアミックスだけでなく、ライブイベントやキャラクタービジネス、地域や業界外企業との連携、声優やアニソンを活用した手法など、これまで以上に多彩なアプローチで収益力を上げる努力が行われています。

講義は、次のような日程で行われました。いずれも、現在のマンガやアニメの業界を最先端で牽引している企業、先頭に立って活躍している実務家の方々です。広い業界のすべてを網羅することはできませんが、こうした「尖端」を行く人たちの話を聞くことで、業界の「今」を知り、そして「未来」を展望することができるのではないかと考えました。

5月 2日 山口によるイントロダクション
5月 9日 赤松健氏(漫画家・Jコミ代表)
5月16日 山本幸治氏(フジテレビプロデューサー)
5月23日 境真良氏(国際大学GLOCOM・経済産業省)
5月30日 原田学氏(角川コンテンツゲート取締役)
7月23日 淺野克彦氏(東京都議会議員)
7月25日 石原真氏(日本放送協会エグゼクティブプロデューサー)
7月28日 野中晋輔氏(スタジオジブリ取締役)

この講演録では、このうち、許諾をいただいた赤松氏、境氏、原田氏、淺野氏の講義の模様を収録しています。もともと権利ビジネスの業界でもあり、どんなかたちであれコンテンツの二次利用に関しては敏感になるというのもやむを得ないことではあります。結果として、はからずも、どちらかといえばマンガの領域に近い方の講演者が集まったというかたちになりましたが、もちろんアニメの内容も含まれています。それぞれの講演者の講義内容を比べてみると、いろいろ面白い発見があるかもしれません。

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2011年12月15日、コミケ参加宣伝のために行ったニコ生の録画映像を、ニコニコ動画にて公開しています。国際大学GLOCOMの境真良さんにゲストにおいでいただき、講義の内容を振り返りながら、マンガ、アニメの過去、現在、未来について議論しています。併せご覧ください。

上記ニコ生の際に使ったスライドの一部はこちらです。

併せて、昨年私が国際大学GLOCOMで企画したシリーズ講演会「ネットの力、みんなのチカラ」の講演録も、販売します。こちらは、山口の他、楠正憲氏、藤代裕之氏、津田大介氏、徳力基彦氏、境真良氏の各氏が、「ネットでみんながチカラを合わせて世の中はよくなるのか?」というテーマで講演した模様を収録しています。

学生制作のゲームは2つあります。いずれも無料配布です。

新感覚謎解き脱出ノベルゲーム「鬼ノ居ヌ間ニ」
夜の学校に閉じ込められた3人の少女。そこに襲いかかる「隠ぬ者」――あり得ない者たち。脱出のカギを握るのは、あらゆる鍵を「問題」に変えるヘンテコな機械、そして――知恵。果たして3人は無事脱出できるのか…?

学習乙女ゲーム「私が選んだ道だから」
Watashigaeranda

ゼミでは、教育用シリアスゲームの企画開発を活動として行なっています。従来よくあった、「全然面白くない教育ゲーム」ではないもの、ふつうに楽しく遊べる中で自然に学習できるものはないかという発想で、主にADVゲームやノベルゲームの分野で制作しています。「鬼ノ居ヌ間ニ」は、初めてホラー系ゲームを採用し、制限時間内に問題を解くことで先に進みます。問題はSPIなどでも出題されそうなものを作っています。「私が選んだ道だから」は、女子学生向けのダイエットや健康情報をゲームを通じて学ぶことを目的としています。ウリはイラストがオリジナルであることで、なかなかいい雰囲気かと思います。
こんな感じ↓
Tsubasa


ということで、よろしくお願いいたします。2011年12月31日、東地区P-31bです。

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